4/29「展示解説」を観に行ってきた。1937年、京都で日本国籍の日本人と生まれ、敗戦後元韓国国籍の両親と共に在日韓国人に。日米の終戦から思いがけない経験や疎外感、やりきれない絶望。アイデンティティの根幹を揺さぶられた記憶が、社会や事象を透徹したまなざしで何が確かなものなのかという主張の作品が生み出されていったそうです。
アイロニカルで、どこかユーモラスに。自分もポスターを作るとき、モチベーションになるのが憤りだったりします。でも、表現は常にユーモアを取り入れた共感を意識しているので、今回の展示解説はとても興味深いものでした。
今回は広報制作物はなかったのですが、作家や作品がとても興味深く共感していたので、勝手にポスターを作り担当の吉原学芸員に送りました。美術館や作家からも認めて頂き、館内のロビーなどに利用してくださるそうです。ポスターに使った〈10個の計量器〉は計りが計りを計ったり計られたりする。その計りは本当に正しいのか。トリッキーでユーモラスな作品ですが、社会システムの本質を問うているようにも感じられます。本当は版画を反画とでもしたい「やんちゃぶり」を考えていましたが、版画の「版」を反転するくらいで止めました。
徳島県立近代美術館所蔵作品展受贈記念「郭徳俊の版画」2019年4月27日-6月16日
©徳島県立近代美術館2019 D:藤本孝明
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