大垣まつり、世界のポスター。 ポスター展&シンポジウム

2019年11月30日

13軕両ポスター完成披露式に参加してきました。


「大垣祭の軕行事」が、平成28年12月1日に「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されてから3年に渡り、大垣の宝ものである大垣まつりをアートポスターで発信されてきました。

今回は、大垣まつりの13軕にスポットを当て、国内外から13名のデザイナーがそれぞれの軕の特徴を踏まえてデザインすることに。

展覧会ディレクターはU.G.サトーさん。いつも気にかけていただき、僕に「布袋軕」を担当させてくださいました。政策において、資料とNETから軕の情報を得ることになっていたのですが、「大垣まつり」は5月11日12日、阿波おどりのポスター制作と同じで、空気感、賑わい、町の印象は実際に見ないとわからないので、夜の奉芸と昼の巡行を観て感じてきました。そのことがうまく反映できるように色々考えながら2点作成。そのうちの1点を納めました。

印刷は、伝統工芸の美濃和紙にデジタルの発達で希少となったシルク印刷。デザイナーには垂涎のしつらえですが、受ける側は相当ご苦労だったと思います。実際、主催者である大垣日本国際ポスター美術館のディレクター兼デザイナーの加藤由朗さんからご苦労をたくさん伺いました。自分も少しは経験があるので、企画や展示を取り仕切る、ましてや世界の著名なデザイナーともやり取りをするのは、想像しただけでも心労をお察しいたしました。


そして、完成したポスターのお披露目式。国内のデザイナーはほとんどお見えになり、海外からチャズ・ネヴィヤネ・デービスさんも来日。記念トークも開催されました。チャズさんはザンビア出身のアメリカのデザイナー。人権問題など力強くシンプルなアイデアのポスターが秀逸です。2000年にU.G.サトーさんたちに誘っていただいて、メキシコポスタービエンナーレに行った時、お目にかかっていて再会。チャズさんは持ちラン覚えていなかったと思いますが、とてもフレンドリーに接してくれました。

それから、U.G.サトーさんのシンポジウム。ポスターを活用した国内外のご自身の体験をもとに街並みの中で魅力的に展示されているポスターの光景に希望を感じました。日本はまだまだデザインやポスターん価値判断を低く捉えがちです。ヨーロッパのように豊かに受け止められるデザイン文化として取り組んでいければと意を新たにいたしました。


夜は、久しぶりにお目にかかったペドロ山下さん、佐藤浩さん、伊藤豊嗣さん、大垣ポスター美術館の運営にも関わっておられる宮川友子さん、そして堀館長、犬飼さん、山田さん、片野さんら美術館の皆さんと交流でき、楽しい時間を過ごさせていただきました。


参加デザイナー

神楽軕 加藤由朗

大黒軕 南部俊安

恵比寿軕 U.G.サトー

相生軕 秋山 孝

布袋軕 藤本孝明

菅原軕 藤代範雄

鯰軕 伊藤豊嗣

榊軕 宮川友子

浦嶋軕 佐藤 浩

玉の井軕 ペドロ山下

松竹軕 ミッシェル・ブーヴェ(フランス)

愛宕軕 チャズ・ネヴィヤネ・デービス(アメリカ)

猩々軕 ピオトール・ムウォド・ゼニェツ(ポーランド)

記念トークチャズ・ネヴィヤネ・デービスさんと通訳犬飼さん

如 月 舎

グラフィックデザイナー藤本孝明のデザイン事務所です。 Graphic Design, Typography and Illustration Artdirector/Graphic Designer:Takaaki Fujimto

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